「通常」の根拠となる3つの雇用保険法の規定
根拠①
雇用保険法第83条第1号が定める「刑事罰」の存在
離職票の提出(被保険者資格喪失届等)は法第7条で義務付けられており、これに違反(遅延・不提出)した事業主に対しては、法第83条第1号により 「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」 という極めて重い罰則が設定されています。 法律がこれほど厳格な罰則を設けている以上、1ヶ月以上遅れて「新規」で書類が出されたという明確な法律違反状態をシステム上で確認した行政機関が、その理由を問い質し、指導や調査を行うことは「行政の裁量」ではなく「法治国家の行政として当然果たすべき義務」です。
根拠②
雇用保険法第76条及び第79条に基づく「強力な調査・命令権限」
行政が違法状態を放置できないよう、法律は行政機関に対して強大な権限を与えています。
- 第76条(報告等):事業主に対して、必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
- 第79条(立入検査):事業所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類を検査させることができる。
行政は「理由が分からなかった」とは言えません。なぜなら、これらの権限を行使して企業を問いただすことが法律で認められているからです。
根拠③
雇用保険法第9条に基づく「職権確認」の義務
ハローワークは企業からの届出をただ待つだけでなく、「職権で」事実関係を確認し認定する権限を持っています。
参考:同種の法令違反に対する司法・行政の対応事例
同様の「雇用保険法に基づく離職票の交付義務(原則10日以内)違反」について、異例とはしつつ刑事摘発(略式起訴)が行われた事実が報道されています。
「離職票トラブル」で異例の摘発 福岡の運送会社社長を略式起訴(2023年3月31日 朝日新聞)
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