回答メール全文

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質問の前提となる資料 使用者による障害者虐待の状況等


厚生労働省の回答の意味するもの

引用

ご指摘の平成28 年公表版の障害者虐待公表資料以降数年にわたり記載されていた留意事項の内容にきましては、平成26 年以前は賃金不払い事案のうち、障害者と障害者以外の両方の労働者が含まれている場合は経済的虐待の対象外としていたことを意図するものであり、賃金不払い全体を経済的虐待の対象外とする意図ではございません。
また、集計方法につきましては、平成27 年度以降変更ありません。

  • 基準の明確化: 平成26年以前は「障害者と健常者の双方が含まれる賃金不払い」を対象外としていたが、平成27年度以降はこれらを経済的虐待の対象とする運用へ変更した。

  • 基準の継続性: 上記の集計・認定基準は、平成27年度から現在に至るまで変更されていない。

要約すると:

  • 障害者雇用において賃金不払いの事実が確認された場合、他の労働者の有無に関わらず、それは 制度上「経済的虐待」として認定・集計されるべき対象 となっている。

栃木労働局による「処理結果」の事実

栃木県障害福祉課の相談記録および開示資料によれば、現場の対応事実は以下の通りである。

  • 事実の確認: 労働基準監督署およびハローワークの調査により、未払い賃金の存在、および「事故欠勤扱いによる無給化」の事実は確認されている。
  • 判断の回避: にもかかわらず、栃木労働局職業安定部は、虐待の存否を 「不明」 と結論付けた。
  • 根拠の不整合: 労働局側は「証拠が確認できない」としているが、これは 「賃金不払いの事実があれば認定対象とする」という本省の基準に照らせば、論理的に成立しない。

結論:基準の不適用という「不作為」の証明

これら二つの事実を照らし合わせると、本件において起きた事態は主観的な「ミス」ではなく、以下の客観的な構造として記述できる。

  • 公的基準の無視: 厚生労働省本体が「経済的虐待の対象である」と明言している事案に対し、現場の労働局がその基準を適用せず、認定を見送った。
  • 行政判断の停止: 本省回答で「平成27年から網を広げた」とされる基準が、栃木労働局の運用下では 平成26年以前の旧基準(あるいはそれ以下)の運用に退行している。
  • 客観的証拠の棄却: 労基署が認めた「賃金不払い」という客観的な証拠がありながら、会社側の「配慮していた」という主観的な弁明を優先し、本省基準に基づく機械的な認定すら回避した。

事実が示す「二重基準」の存在

厚生労働省本体は「賃金不払い全体を虐待の対象外とする意図はない」と回答している。一方で、栃木労働局は賃金不払いの事実がありながら「不明」として幕引きを図った。
この 「本省の公式見解」と「現場の処理結果」の乖離 こそが、本件における行政の機能不全を証明する、客観的事実である。