補償課労災保険審理室長説明資料(平成30年度全国労災補償課長会議資料)1/2.pdf.p16
開示された資料を確認すると、厚生労働省本省が全国の労働局・労基署に対し、裁判所からの文書提出命令に対する対応方針として、内部記録の不開示を主張するための具体的なフォーマットを提示していることが確認できます。
具体的には、以下の2つの構造がセットになっています。
1. 裁判所へ提出する「意見書」の雛形による対応方針
資料の後半には、「業務参考資料」として、裁判所へ提出する「文書提出命令の申立てに対する意見書」の雛形がそのまま収録されています。 この意見書の雛形の中で、監督復命書や調査復命書等の提出を制限する法的根拠として、最高裁判例(平成17年10月14日第三小法廷決定)を引用し、次のように主張するよう示されています。
「行政内部の意思形成過程に関する情報が記載されたものであり、その記載内容に照らして、これが本案事件において提出されると、 行政の自由な意思決定が阻害され、公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれが具体的に存在することは明らかである」
これは、「調査の過程や判断理由等の内部情報を開示することは、行政の自由な意思決定を阻害する」という理由に基づき、内部の意思形成過程を不開示とする対応をマニュアル化していることを示しています。
2. マニュアル本体における「黒塗り(不開示)」の規定
さらに、対応マニュアルの本文(「裁判所等からの文書提出命令等に対する具体的な対応について」など)においては、現場の職員が作成した復命書等の取り扱いについて次のように明確に規定しています。
「文書提出の範囲 → 原則として、①調査担当官が職務上知ることができた事業場等にとっての私的な情報に関する部分とし、 ②行政内部の意思形成過程に関する情報の部分については、黒塗りして提出すること」