20220415住友生命大阪人事室の回答(全文)
このページではC.後段の、法理解についての説明をしています。前段の「自己申告できる云々」は全文 で説明しています。
C.遅延損害金について
弊社としましては、在籍当時、貴殿において時間外労働を行ったのであればその旨自己申告できる状況にあったこと、現に自己申告に基づく時間外労働に対しては時間外手当を支給していること、一方で貴殿による労働時間の適正な申告を阻害するような事情は特段存在しなかったこと等を理由に未払賃金について争っており、その点について賃金の支払の確保等に関する法律第6条第2項、同施行規則第6条第4号にいう「合理的な理由」が存在するものと考えておりますので、同法に基づく遅延損害金を支払うことは考えておりません。
住友生命大阪人事室長の法理解はどこで崩れているのか
■ 結論
この説明は、条文の適用条件を満たしていないにもかかわらず、満たしているかのように扱っている という点で成立していません。
■ 問題のすり替え
住友生命のロジックはこうです:
未払賃金について争っている
→ 「合理的な理由」がある
→ 遅延損害金は不要
しかし、条文はこうなっています:
合理的な理由があり
かつ、裁判所又は労働委員会で争っている場合に限り
適用除外
■ 重要なのは「後半」
この規定の本体は「合理的な理由」ではありません。
裁判所または労働委員会で争っていること
ここを落とした時点で、その後にどれだけ言葉を積み上げても成立しません。
■ 本件の実態
本件は、
裁判所にも労働委員会にも係属していない
単なる当事者間の対立
に過ぎません。
これは法律上、
施行規則第6条第4号が想定する「係争」には該当しない状態
です。
■ なぜこういう説明になるのか
住友生命大阪人事室長のやっていることは単純です:
- 条文の一部だけを抜き出す
- 都合の良い部分だけを意味として採用する
- 要件全体を満たしているかのように見せる
■ 率直な評価
この条文に必要なのは、
- 判例の知識でも
- 専門的な法理論でもなく
条文を正確に読むこと
ただそれだけです。 外部に提示する書面である以上、条文の適用要件が満たされているかの確認は不可欠なはずですが、本件ではその確認がなされた形跡は見受けられません。
■ 仮に前提を認めたとしても
仮に「合理的な理由」が存在するとしても、
裁判所又は労働委員会で争っていなければ適用されない
この要件を欠く以上、結論は変わりません。
■ まとめ
本件は複雑でも何でもありません。
- 原則:遅延損害金は支払う義務がある
- 例外:厳格な条件を満たした場合のみ免除
にもかかわらず、
条件の一部だけを取り出して全体を満たしたことにしている
■ 一言で言うと
条文を途中まで読んで結論を出している。
重要:
本件の状態は、裁判所又は労働委員会に係属していない以上、「合理的な理由による係争」には該当しない と整理するのが条文上自然です。