行政手続法が暴く「必要な調査」の放棄
行政手続法第36条の3には、以下のように明確なルールが定められています。
第36条の3(処分等の求め)
- 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導がされていないと思料するときは、当該行政庁又は行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。
- 当該行政庁又は行政機関は、第一項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。
行政手続法と行政事件訴訟法の「最悪の連携」
この「行政手続法(第36条の3)」と、前回追加された「行政事件訴訟法(第3条)」を組み合わせると、日本の労働行政がいかに完璧な 「無責任の無限ループ」 を構築しているかが可視化されます。
- 【労働者の権利】 労働者は行政手続法に基づき、証拠を揃えて「違法を是正してくれ」と求めることができる。
- 【行政の義務違反(ごまかし)】 行政は「必要な調査」をしなければならないが、大企業へのペナルティ(5年間の助成金停止など)を恐れ、まともな調査をせずに「対応(調査)は完了した」と宣言して判断を停止させる。
- 【行政事件訴訟法の死角による逃げ切り】 本来であれば、この「調査義務違反(不作為)」を裁判で追及したいところですが、行政事件訴訟法上、行政が「正式な処分」を下さない限り、労働者は行政を訴えることが極めて困難に作られている。行政は「調査は完了した」と言うだけで、自らが裁判で裁かれるリスクを完全に回避できる。