特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)において、「45歳」は対象労働者の認定や助成額の決定を左右する重要な境界線となっています。

1. 対象労働者要件における「45歳」の意義

この助成金では、就職が困難な層を対象としていますが、法律の規定(支給要領)により、 雇入れ日現在における満年齢が45歳以上であること が条件となる対象者の区分が多数存在します。

  • 45歳以上の身体障害者・知的障害者: 重度以外の身体障害者や知的障害者であっても、雇入れ時に45歳以上であれば助成金の対象となります。
  • その他の就職困難者: 中国残留邦人等、沖縄失業者求職手帳所持者、漁業離職者、その他社会的事情により安定した職業に就いていない者などについても、「雇入れ日現在における満年齢が45歳以上であるもの」という年齢制限が設定されています。

2. 助成額・助成期間における優遇(重度障害者等と同等の扱い)

45歳以上の障害者は、助成の金額と期間において、「重度障害者など」と同じ手厚い特例枠に引き上げられます。

  • 助成額の増額: 短時間労働者以外の条件で雇い入れた場合、一般的な対象者(大企業で50万円)に比べ、 **「45歳以上の障害者」は大企業で100万円(1年6か月)、中小企業で240万円(3年)**という非常に高額な助成金の対象となります。

3. 本件事案における「45歳」の関連性と行政の機能不全

開示された公文書12によれば、被災労働者は雇入れ時の年齢が45歳以上であり、住友生命は 「身体障害者(45歳以上)」 の区分として、この高額な特定求職者雇用開発助成金を申請・受給していました。

そして、この「45歳以上」という要件は、本件の告発において非常に重要な意味を持っています。

  • 在職中紹介の特例と、自ら通報を取り下げた被災者の誠実さ 特定求職者雇用開発助成金には、「雇入れ時の年齢が45歳以上の障害者等の場合、在職中の紹介であっても特例として支給対象となり得る」というルールが存在します。当初、事前内定(在職中紹介)による不正受給の疑いを通報しましたが、後に本人がこの「45歳以上の特例ルール」に気づき、潔く通報を取り下げました。
  • 行政(栃木労働局)の専門性の欠如の証明 一方で、通報を受けた栃木労働局の担当課長補佐は、労働行政のプロフェッショナルであるにもかかわらず、この「45歳以上なら該当外」という自らの管轄するマニュアルの基本ルールを即答できませんでした。結果的に「証拠を持ってくる厄介な人物だ」というレッテルを貼り、自ら調べることなく大阪労働局へ責任を丸投げしました。

Footnotes

  1. 特定求職者雇用開発助成金申請書_表.png

  2. 特定求職者雇用開発助成金申請書_裏.png