総務省回答により露呈した判断主体不明の対応構造
一被災者による執拗な追及ではなく、第三者機関である総務省行政監視行政相談センターを通じた照会により、判断主体が明確に示されないまま処理が終了している状況が確認された。
■ 1. 戦略的照会:誰が「最終判断」を下すのか
2026年2月12日、筆者は総務省に対し、個別の違法性ではなく 「行政組織としての責任の所在」 を問う照会を行った。
照会趣旨:
「労働基準監督署が『対応の限界』を認め、厚生労働省が『現場(監督署)へ』と回答をループさせている状況において、最終的に判断・説明を行う主体はどこにあるのか」
■ 2. 総務省回答に基づく対応の整理
総務省を通じて得られた厚生労働省および労働基準監督署の回答は、以下のとおりである。
① 厚生労働省労働基準局(中央)の回答
「個別具体の事案については、所管の労働基準監督署において、調査や判断等を行うことになっている。」
② 栃木労働基準監督署(現場)の回答
「当署が相談者から受け付けた相談については、必要な調査等の対応は全て完了している。」
■ 3. 回答間に見られる構造的特徴
上記回答を踏まえると、以下のような構造が整理される。
① 判断主体の所在の不明確性
2023年5月18日、栃木労基署の副署長は 「上部機関の話になりつつある。我々にタッチできる部分が減っている」 と漏らしていた。にもかかわらず、総務省回答では> 「現場で完結している」との回答が示されており、最終的な判断および説明主体が明確に示されていない状態となっている。
② 「完了」という表現の位置づけ
本件においては、未払い賃金、死傷病報告の遅れ、労災による就業不能期間中の解雇やその他の論点に関する説明が十分に示されていない状態で「対応完了」とされている。
③ 事実関係との関係
労災認定(就労不能期間約700日)が存在する一方で、関連する諸論点についての行政対応の内容が明示されていない。
■ 結論
本件においては、総務省を通じた照会に対する回答により、行政組織内における判断主体および説明責任の所在が明確に示されていない状態が確認される。
このような構造においては、個別事案に関する最終的な判断および説明がどの段階で行われるのかが不明確となる。
判断の所在に関する問題
行政が「対応完了」とする一方で、当該判断に至る過程および評価基準が明示されていない場合、
その妥当性を外部から検証することは困難となる。
本件は、そのような状況が具体的に確認された事例として位置づけられる。
かつて岡山でも『完了』と言い、16年後に司法に覆された歴史がある

■ 参考:報道によると、本省扱いとなる事案も事実存在する
朝日新聞2022年5月30日朝刊
2022年5月30日朝刊 住友生命京都支社の記事
引用
すぐに結論は出ず、「本省(厚生労働省)で扱うことになった」と連絡があったという。
2019年12月26日付で支社が、労基法に違反しているとして労働基準監督署から是正勧告を受けていることがわかった。ただし、自己負担が違法とされたのではなく、「天引き」する場合に必要な就業規則を作っていなかったという理由だ。
裁判所サイトよりダウンロード可能な同事件(住友生命京都支社)の判例でも確認できる
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