住友生命の障害者雇用における「700日就労不能(労災認定)」および「未払い賃金・退職処理」の事案について、各行政機関および住友生命(本社・支社)がどのような対応を行ったのか、時系列で整理します。

2020年(令和2年)

  • 1月6日:被災労働者が、重量物運搬の無いPC事務・什器担当として住友生命小山支社に入社(身体障害3級・特定求職者雇用開発助成金対象)。
  • 4月以降:小山支社に新たな業務部長・総務部長が着任。人員不足を理由に、重量物の運搬等を命じられるようになる。
  • 7月10日:業務に起因する負傷(左脊椎神経損傷など)が発生。のちの労災認定において、この日が事故発生日(就労不能となる1年前)として認定される。12

2021年(令和3年)

  • 3月〜7月初旬:被災労働者が本社コンプライアンス窓口等へ内部通報を行うが、実質的な対応はなされず。
  • 7月11日:被災者が小山支社総務部長へ「明日より治療を優先させていただきたい」と休業を申し出るとともに、診断書を提出。20210711送信
    パーソルチャレンジや栃木県権利擁護センターへも使用者の障害者虐待として助けを求めるメールを送信。3
  • 7月12日:支社総務部長が、原因調査を行わず「当面年休対応でいいでしょうか?」と私的欠勤(有給休暇)での処理へと誘導。20210712受信
  • 7月13日:被災者が栃木労働局へ電話し、障害者虐待について相談(権利擁護センターの管轄と案内される)。20210713労働相談票
  • 7月14日:被災者が総務部長へ「業務に起因するものだと言われました」と労災であることを伝達。同日、被災者が栃木労働基準監督署に初回相談。時間外労働の未払いや備品の自費購入、契約外業務の実質強制などを申告し、労基署側も「経済的虐待の可能性」と認識する。20210714送信
  • 7月20日:被災者が総務部長へ「無給で、自身の生活時間を削り、自腹をきり、この会社に尽くすことができなくなりました」と限界を訴え、退職日の設定を依頼。20210720送信
  • 7月26日:支社総務部長が退職日を8月17日と設定するよう提案し、「年休消化後のご退職(連続での傷病欠勤とならない)なので、診断書は特に必要ありません」として 診断書を返送(受領拒否)20210726受信
  • 7月27日:被災者が総務部長へ、退職届の提出について「役所にご相談させていただいた後、回答をさせていただきたい」と 同意を保留 し、離職票をハローワークへ直送するよう求める。20210727送信
  • 8月2日〜4日:被災者が本社幹部(人事部、コンプライアンス部門等)をCCに含めたメールで、自費購入や無給労働の実態を詳細に告発。しかし直後の8月4日の会社からの返信で、 本社部門がCCから一斉に外される20210802_1受信/20210802_2受信/20210802_3送信/20210804受信
  • 8月4日:被災者が栃木労基署へ来署し、継続相談を行う。20210804労基署相談票
  • 8月17日:会社が主張する退職日。被災者は、支社に返送された診断書や職員証明書、健康保険証を 住友生命本社人事担当へ直接郵送20210817受信
  • 8月19日:壬生町役場が住友生命小山支社へ退職日の確認の電話を実施。会社側は 「書類の送付がないためまだお手続きができていません」「退職日が8月17日よりさかのぼる可能性がある」 と第三者に対し「手続き未了」を説明し、国保への切り替えを保留させる。20210819受信/役場メールとは
  • 8月24日:支社総務部長から「9/2までの返送がなかった場合は8/17付で退職手続きを行う」と、事後的に退職日を指定する通告が行われる。20210824受信
  • 9月14日ハローワーク栃木 の担当者が被災者に電話し、「8月17日退職で、9月10日に離職票が発行されたので郵送を待つように」と、 システム記録(実態)とは異なる案内 を行う。4
  • 9月17日〜21日:案内を不審に思った被災者が本社管轄の ハローワーク大阪東 へ連絡し、指示を受けて自ら再交付申請を実施。その結果、 退職日から1ヶ月以上遅延した「9月21日」に初めて離職票が新規発行 されたことが確定する。5
  • 9月30日:被災者が 栃木労基署 に電話。労基署担当官は、退職処理について「当事者間で退職日に争いがあるときに、直ちに法違反といえない」と回答し、事実認定を停止。20210930労基署相談票
  • 12月17日:被災者が栃木労基署に来署し、客観記録(S-TUBE等のログ)の存在を指摘して未払い賃金を具体的に申告。実態と会社の管理記録の乖離が明確化する。20211217労基署相談票

2022年(令和4年)

  • 2月24日住友生命大阪人事室長 から被災者へ、算定根拠を明示せず「お支払い額 226,625円(差引180,098円)」とする文書と「振込口座依頼書」が送付される。20220224大阪人事室長
  • 3月17日:被災者が大阪人事室長へ、算定根拠の提示や就業規則、労働時間記録(IDカード・PCログ等)の開示を求める文書を送付。20220317被災者
  • 3月28日:被災者が栃木労基署に電話するが、労基署の内部記録では「既に終了した令和3年度第70号申告の元申告人」として扱われ、実質的な対応は「記録を残すこととする」と処理される。20220328労基署相談票
  • 3月30日大阪人事室長 が「就業規則やIDカード等の記録は送付しない」「PCのログイン・ログアウト時間を基準として算定した」と回答。20220330大阪人事室長
  • 4月初旬:栃木労基署(労災担当)が住友生命に立ち入り調査。企業側は「そのような作業はやらせていない」と主張を繰り返す。
  • 4月15日大阪人事室長 が、「自己申告することが可能であった」「遅延損害金を支払うことは考えていない」と主張し、 「今後同様のお申し出をいただいた場合、弊社からの回答は差し控えさせていただきます」 と被災者への説明対応を一方的に打ち切る。20220415大阪人事室長
  • 4月28日:午前は栃木労働局に於いて障害者関連担当官と面談、午後は栃木労働基準監督署で労災担当官と面談。(途中から、栃木労働局職業安定部も同席(行政判断の放棄と「調停」への誘導))
  • 5月19日〜6月1日:被災者が 大阪労働局(大阪助成金センター) へ助成金の不正受給等の疑いを通報。大阪労働局の担当者は「送付された資料を返送する」と提案したが、被災者は行政の調査義務の放棄を防ぐため「返送は不要」と拒絶。67
  • 8月15日:被災者が栃木労基署に来署。労災請求を行ったことで事案が再出現したが、副署長は自費調達や不当な給与控除の訴えに対し 「監督署としては何とも言えない」 と回答し、指導を行わず記録するに留める。20220815労基署相談票
  • 10月12日〜13日:住友生命が「労働者死傷病報告」を作成し、労基署に提出(受付印は10月13日)。ただし原因欄には「当社としては把握できず原因についても判断できません」と記載。1
  • 10月31日栃木労働基準監督署が「376日の就労不能」を業務上負傷(労災)として公的に支給決定。これにより、企業側の「やらせていない」という説明が事実上否定され、以降2023年6月12日まで累計700日の就労不能が認定される 。2
  • 12月6日:栃木労基署の労災担当官が、被災者に対し「死傷病報告は出ていない」「私が支社総務部長に提出をお願いした」と発言し、システム上も未登録であることを確認。公文書の10月13日受付印との矛盾が生じる。
  • 12月21日:被災者が 栃木労働局 へ、労災認定後も調査が未実施であることや、ハローワーク・労働局間での責任回避(障害者虐待通報が「不明」と処理されたこと等)について行政構造への問題提起を行う。 (栃木労働基準監督署が動かないため栃木労働局へ連絡したことによる20221221労基署相談票

2023年(令和5年)

  • 1月26日〜27日:被災者が栃木労基署へ、未払い賃金や控除協定なしの給与天引きに対する監督指導を電話で要求。「話を聞き、記録として残してほしい」「対応できないなら本省へ理由を上げてほしい」と伝達。20230126労基署相談票/20230127労基署相談票
  • 2月15日住友生命(大阪人事室) が、法務局へ未払い賃金とされる金員(180,098円)の 供託を申請供託書01
  • 5月18日栃木労基署の副署長 が、被災者との電話において 「ちょっとね、あの徐々にねほら、上部機関の話になりつつあるのであの~監督署レベルでタッチできる部分が減ってきてるのかなていう感じはしてるんですけれども」 と発言し、現場の権限行使の限界を漏らす。8
  • 6月16日就労不能による累計700日の休業補償給付2
  • 6月16日大阪人事室長 から被災者へ、自ら説明を打ち切ってから14ヶ月後に突然「宇都宮地方法務局栃木支局あてに同賃金を供託しております」との事後通知が届く。20230616大阪人事室長
  • 8月14日:休業補償が打ち切られた被災者が、 ハローワーク栃木 に対し離職理由(自己都合)の異議申し立てを実施。9雇用保険受給資格者証(仮)
  • 8月17日大阪労働局 が、離職票の1ヶ月以上の遅延(雇用保険法第7条違反)に対する指導や罰則の記録について、 「開示対象に係る保有個人情報を保有していないため」 として非開示決定を行う(違法の黙認の証明)。10
  • 9月13日大阪人事室長 が、追加支払分について「振込送金依頼書の返送がない場合は供託する」と通告。20230913大阪人事室長
  • 11月15日:住友生命が追加分の供託を申請。供託書02

2024年(令和6年)

  • 1月:異議申し立てを受けた ハローワーク栃木 の担当者が、退職届が提出されていない事実に対して職権調査を行わず、 「(会社側が)退職者と連絡がつかなかったからじゃないですか」 と推測で企業側を擁護。11
  • 1月24日:ハローワークが約5ヶ月の放置を経て、離職理由を「正当な理由のある自己都合退職」とする処理で終結(会社都合への変更を行わず)。9
  • 8月22日厚生労働省労働基準局(本省) が、「国民の皆様の声」への照会に対し、「栃木労働局に情報提供させていただいております。 引き続き労働基準監督署にご相談いただきますようお願いいたします」 と回答。現場副署長の「上部機関の話になりつつある」という認識を黙殺し、責任を現場へ差し戻す。回答メール_労基署の対応
  • 11月5日:群馬合同労働組合が住友生命本社へ、悪質な労災隠しや解雇制限違反等に対する見解と謝罪を求める要求書(Web公開を通告)を送付。群馬合同労働組合_第二回要求書
  • 11月27日住友生命勤労室長 が回答書を提示。「合意退職は有効に成立していると判断しています」「自己都合退職と判断して発行申請したものです」「謝罪および補償については対応いたしかねます」と主張し、責任を全面的に否認。住友生命勤労部_第二回回答書

2026年(令和8年)

  • 2月12日:被災者が 総務省行政監視行政相談センター を通じ、「現場が限界を示し、本省が現場へ差し戻す状況において、行政として最終的に判断・説明を行う主体はどこか」という行政組織の責任所在を問う照会を実施。総務省行政相談への質問メール
  • 2月24日:総務省を通じた公式回答が示される。
    • 厚生労働省労働基準局(本省):「個別具体の事案については、 所管の労働基準監督署において、調査や判断等を行うことになっている。
    • 栃木労働基準監督署(現場):「当署が相談者から受け付けた相談については、 必要な調査等の対応は全て完了している。」 この回答により、公的な労災認定や未払い賃金が存在するにもかかわらず、行政機構の中に「巨額のペナルティを伴う大企業の違法行為に対し、最終的な法的判断を下す主体が存在しない」という事実上の不作為が確定した。 総務省回答-労基署は完了

確定され書類送検され得る法違反

被災者 住友生命本社・大阪人事室・勤労部 栃木労働局 栃木労働基準監督署・監督課・労災課 壬生町役場 厚生労働省「国民の皆様の声」 総務省「行政監視行政相談センター」

Footnotes

  1. 労働者死傷病報告 2

  2. 700日の就労不能を示す労災支給決定通知書(一部公開) 2 3

  3. 令和3年度栃木県障害福祉課相談記録

  4. なぜハローワーク栃木は離職票が交付されたと事実と異なる案内をする必要があったのか?

  5. 離職票「1ヶ月遅延」の真実

  6. 制度を即答できない栃木労働局と「たらい回し」の証明

  7. 大阪労働局助成金センターからの「返送」を拒絶した真意

  8. 2023年5月18日_栃木労働基準監督署副署長との電話

  9. 「5カ月の審査」の実態:ハローワークによる職権調査の不作為 2

  10. :保有個人情報開示で読み解く「大企業への特別扱い」と行政の不作為

  11. 「公式ルール」をも無視した、ハローワークによる企業擁護